Vol.1: カメラがつなぐ、人と風景と経済圏
<旅を通じて地域と出会い、レンズを通して地域の魅力を再発見する>
BPキャピタルが「投資×地域創生」の視点でお届けするインタビューシリーズ。
創刊号では、“カメラのサブスクリプション” の「GOOPASS」をご紹介します。
単なる「機材レンタル事業」にとどまらず、“カメラ”を媒介にして「写真×観光×地域創生」の文脈で、体験と経済を結び直す仕組みづくりに挑戦するユニークな存在です。
革新的なビジネスモデルを通じて地域の魅力を再発見し、文化や経済の循環を生み出すその姿勢は、当社が目指す「持続可能な地域社会の形成」という投資理念とも深く重なります。

・GOOPASS株式会社(https://goopass.co.jp/)
・2017年創業(旧社名:カメラブ株式会社)。撮影機材や編集機器、電動バイクなどをサブスクリプションでレンタル可能なプラットフォームを展開。代表取締役 高坂 勲(たかさか いさお)
・BPキャピタルは、のとSDGsファンドを通じて出資(2022年)

<カメラレンタルから始まった、地域との物語>
BPC:本日はお時間ありがとうございます。まずはあらためて、GOOPASSさんの事業概要について教えてください
高坂(GOOPASS):私たちは、約2,500種類のカメラ・レンズを入れ替え放題でレンタルできるサブスクリプションサービスを運営しています。現在、20万人を超える会員さんにご利用いただいていて、写真を通じて地域の魅力を再発見する方も増えています。
BPC:「カメラで地域に行く」というコンセプトは、御社のユニークなところですね。
高坂:ありがとうございます。もともとは“機材を借りる”だけのサービスでしたが、クリエイターさんとの出会いがきっかけで、「撮ること」が地域とのつながりや、新しい観光のあり方に発展していきました。

<コロナ禍が変えた「体験」の価値>
BPC: GOOPASSさんの進化は、コロナの影響も大きかったのではないですか
高坂:そうですね。旅行が制限されるなかで、「密を避けられるレジャー」としてカメラの需要が高まりました。そこから1週間レンタルやワンタイム利用など、より“体験重視”のサービスにシフトしていきました。
BPC:御社のサービスは、カメラを“モノ”としてではなく、“行動の起点”として捉えているのが印象的です。
高坂:まさにそれが目指していたところです。自分の趣味でもある旅や星空撮影をきっかけに、地域を好きになる人が増えてほしい。そんな思いで、小学校での「心の授業」や、大学での実践授業などもやらせていただいています。

<BPCとの出会い──“地域共創”という想いの重なり>
BPC:次に私たちBPキャピタルとの出会いについて教えてください。2022年のシリーズBで、弊社の「のとSDGsファンド」から出資を受けていただきました。
高坂: 当時、私たちはVC比率をあまり上げたくなかったんです。むしろ、地域や共創に関心のあるCVCやファンドを探していました。そんな中でご紹介いただいたのがBPキャピタルさんでした。
BPC: 御社が能登地域のクリエイターと連携されていたことも、ご縁につながりましたよね。
高坂: そうですね。能登の魅力に惹かれて、私たち自身でもドローンや撮影体験の企画を進めていました。BPCさんは、投資だけでなく、地域のキーマンとの橋渡しをしてくださったのが本当にありがたかったです。
<出資が加速させた“体験”の広がり>
BPC: 出資後、GOOPASS GOの本格展開や電動バイク、教育機関との連携など、御社の動きが一気に広がった印象があります。
高坂: 出資をいただいたタイミングで、ちょうど私たちも「物」だけでなく「コト」や「ヒト」を扱うフェーズに進み始めていて。その後、旅行会社と連携したツアー、教育、地域イベント……と、様々なコラボが一気に進みました。
BPC: 私たちとしても、「資金を投じて終わり」ではなく、「共に地域で価値をつくる」企業に出資したいという想いがありました。まさにその姿を体現していただけたと思っています。
<能登の震災、そして“観光からの復興”へ>
BPC: そして、GOOPASSさんと能登地域との取り組みが本格化しようとしていた矢先、2024年に能登半島地震が発生します。
高坂: 本当に想定外の出来事でした。でも、だからこそ見えてきた地域との向き合い方や、新しいビジョンがあります。
BPC: 次回は、その震災を経てどのように“共創”の価値が深まったのか。地域との新しい関係について、お話を伺いたいと思います。
<Vol.2「能登との関わり、震災、そして“共創”へ」へ続く>
取材協力
・高坂 勲(たかさか いさお) GOOPASS株式会社 代表取締役
・1983年、神奈川県生まれ。新卒で大手通信会社に入社後、医療IT系スタートアップの創業初期に参画。その後、長年の趣味だったカメラの可能性に着目。自身が考案したサービスが某アクセラレータプログラムでファイナリストに選出されたことを機に独立を決意。
・2017年4月10日(“フォトの日”)にカメラブ株式会社(現GOOPASS株式会社)を設立し、代表取締役に就任。カメラ機材のサブスクリプションサービスを通じて、誰もが表現と発見のきっかけを得られる社会の実現を目指している。
構成・文責:BPキャピタル オウンドメディア
・関連情報:BPキャピタル支援企業(https://bpcapital.co.jp/portfolio/)